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目を開いたら、仰向けになって寝ていたみたいだ。
周囲一帯は生い茂る木々に囲まれていて、天井は大きい木の葉が陽光を遮ってくれていた。
木の枝に止まっている見た事もない小鳥達だが、囀りの歌が良いから特に気にならない。さっきまで体育の授業だったから、新鮮な風が息吹くと火照った体を冷やしてくれて心地良い。
深呼吸すると新鮮な空気が、都会の排気ガスで汚れた体を綺麗にしてくれる気分だった。
でも今はつまらない数学の授業を受けていて、疲労からか寝落ちしてしまったから夢……なのか?起き上がるのも億劫に感じた俺は、もう少しだけここで夢を見ていたいと思っていた突如ーー。
「グルギャオオオオッ‼︎‼︎」
俺の眠りを叩き起こすかのように、聞いた事のない咆哮が聞こえて空を見上げると。
全身が爬虫類を彷彿とさせる鱗に覆われ、口から吐息する度に炎が漏れ出し、真っ赤な両翼を羽ばたかせる最近はファンタジーラノベ・ゲームで現実逃避していたから、ファンタジーな夢を見ていたが、これは明らかにリアルな感覚だった。
それに俺は体重が三桁ある程の巨漢だから、全身が鉛みたいに重たく感じていたのに、今では羽毛みたいな軽さで簡単に上半身を起き上がる事が出来た。全身は軽く、太かった腕も細く、全身が細くなった事でオーダーメイドの男子制服がオーバーサイズになっていた。
夢だから痩せたんなら、ついでにイケメンになってるといいな。
俺は痩せたと喜びながら、上半身を起きあがらせると……妙に胸部当たりだけ重量感に襲われた。
ダボダボの白シャツのボタンを外して、インナーシャツをズラして見ると女子特有の巨胸になっていた。 血の気が引いた俺は直で胸に触れると弾力感さえあり、男の感触とは明らかに違った。「何がどうな……ん? この声はなんだ?」
15年間生きてきて野太かった嫌いな声だったのに、女子特有の高く可愛い声になっていた。
ここまで来たら俺は覚悟を決めて、ダボダボズボン越しから局部を触れてみると、今まであるべきゆっくり立ち上がると、ズボンと下着が地面まで一気にズレ落ちてしまった。
「やっぱり……俺は女になったのか」
思春期年齢の男子ならば、女子の裸体は興奮していただろう。
しかしこの状況のせいで嬉しいとは思えない、せめて童貞卒業さえしてなかったのだから。下着とズボンを上げて、穴無しベルトを限界まで引っ張って何とか止める事に成功した。
このわかりやすい状況からして、まさか俺が異世界転移という妄想が叶って良かったが、女になるのは予想外だった。15年も男として過ごして来たのに、いきなり今から女になれと言われても困る。
地球に戻れたとしても、この姿では誰にも分からないし理解されない。「まっ、家族からも嫌われてるから……」
クヨクヨ考えても仕方ない、ここは前向きに異世界をどうやって楽しむか考えないとな。
「まずは汗を流して、喉も潤したいしな」
涼しい風で汗が引いたとはいえ、前の体育の授業の汗臭さが残ってるから水で洗い流したい。
道なき道を進むと、水が流れる川の音が聞こえて、俺は一目散で向かう事にした。♢♢♢
「これは綺麗な水だな」
川には見た事ない魚が泳いでいるが、異世界だからと警戒したが襲う気はなく異世界産の魚なのだろう。
早速、透き通る綺麗な水を両手で掬った時に気づいた。「川の水飲むと腹下すって動画で見た事あるな……」
地球と異世界は違うから当てにはならないが、用心に越した事はない。
女になった事で血の気が引いて、気持ち悪い汗もかいたから洗顔だけする事にした。「はぁ……冷たい水ですっきりした……ん、これが俺?」
水が反射して顔が写り、ふと思った。
改めて周囲には人の気配は無いからと、男子制服を脱ぎ一糸纏わぬ姿となり川の中に入る。鏡代わりに自分の姿を確かめる事にした。銀色のショートヘア。
銀色の瞳・眉毛、可愛い顔立ち。 豊満な巨乳・くびれた腰・太ももとお尻のムチムチな体型。こんな美女と付き合いたいと願っていたのに、まさか自分がその美女になるとは……デブ・ブサイクな男子だった頃に比べたら劇的な変化だ。
「性別はともかく、簡単にダイエット出来たと思えば最高だな!」
男に戻れなくなったらどうしよう……なんて考えてたが、こんな可愛い女の子なら焦らなくても問題はない。
それにしても川の水は冷たくて、大自然の中での水露天風呂は最高だ。ここが異世界ならば、魔法が使えるかどうか試してみよう。
「ラノベだとイメージが大事だったよな。……燃え盛る炎。よし」
身体に流れる脈動みたいな感覚が「魔力」なら、俺も使えるかもしれない。
「まずは定番の《ファイア》」
人差し指の先には、赤色の幾何学的な模様の魔法陣から小さな火が付いた。ライターのイメージ通りの大きさ・火力となっているらしい。
イメージ通りに魔法が使えるなんて、異世界が好きになりそうだ……と思っていた矢先だ。
ふと視線の先にナニかあると思い川から出て向かうと、女性騎士の死体が数十も転がっている。
まさに死屍累々と言った悲惨な殺人現場になっていて、引き摺られたのか血が地面を擦った後がある。ゲームやグロ映画に出てくる偽の死体ではなく、リアルな死体を見て気持ち悪くなった。
「ヒヒッ……おい見ろよ。上玉の女がじゃねぇか。水浴びでもしてたらしいな」
「こんな森の奥で全裸たぁ誘ってんのかよ!」草叢の茂みから野郎共が現れた。
女性騎士達の死体の腕や脚をを引き摺るのをやめて、抜き身の剣・槍・斧には返り血が付いた武器を構え始めた。動物?魔獣?の毛皮の身軽な防具からして盗賊系なのだろうか。
ヴァイキングを彷彿とさせる連中で、全身に赤色のタトゥーが彫られている。「この騎士団にも好みの女がいたが、お前が一番の好みだぜ!」
「それならなんで殺したんだ?」
「お頭命令だからな、俺達は殺した騎士団を集めて燃やすんだ。後は森のモンスター共の餌になってくれるから証拠隠滅だ」
「誰かに見られたら殺せって命令だが、犯すなとも言われてないしな」心は男だから野郎共に裸体を見られても恥ずかしくはないが、イヤらしい下衆な笑みを浮かべているのは極めて不快だ。
装備品は金にしようとしていたのか脱がしてあり、俺はその場にあったインナータイツを着る事にした。「悪いが……お前らに
俺にどんな魔法が使えるか分からないが、1人だけでは圧倒的に不利な事には変わらない。
こんな都合の良い時に助けてくれる冒険者何ているわけないし、周りを見てもモンスターが乱戦する気配もないほど静かだ。女性騎士達の死体から、残存した魔力が溢れるのが見えた。
「たった1人でどうするってんだ? 王国騎士団の女達でさえ俺ら盗賊団に敵わなかったってのによ!」
「気の強い女は好きだぜ! グハハッ」どうなるか分からないけど魔法はイメージなら、俺のやろうとしてる事も出来るはずだ。
倫理観に欠けるが自分の命を守る為だ、死体を利用させてもらう。
最強不滅のアンデッドのイメージしながら魔法を詠唱する。「力を貸してくれ、
両手を死体達に向けると、俺の魔力・残存した魔力が混ざり合った瞬間。死体から生前と同じ容姿・装備をした魔力体として再構築された。
それからゼルンが常連客になったり、ラヴレスト王国へ向けて準備期間中は高級宿泊宿に泊まってもらった。 王国正門前に来たゼルンはツルツル・スベスベの健康肌になっていた。 表情もトロける様にニコニコ笑顔になり、十分満足してくれて良かった。「キャメロットに数日滞在した感想はどうですか?」 現代の高級ホテルを個人的イメージで改装してあるから、もしかしたら不満やクレームがあったらまた改善しないといけない。 大浴場ではサウナを取り付けたり、働き探しの女性にスキル・《マッサージ》を習得させた。マッサージを受けたがる冒険者が多くて収入も多く入って助かっている。「全てが最高でした。クロエ様! 女性メイド達は皆一流でワシがお願いしようと思ったのを先読みして動いてくれる」 メイドにはスキル・《読心術》を与えているから、お客の思っている事は全て筒抜けである。 普通の客は当然の事ながら、中には一般人・冒険者に扮して他国からのスパイがいるかもしれないからな。 逆に《読心術》対策として心を読ませない、警戒心が強い者も怪しいとメイド達に警戒している。「大浴場はどうでしたか?」「王族の大浴場にもなかった「ジャグジー」なるモノは、泡が出てとても気持ちよかったです。「サウナ」では全身から汗が吹き出した後に水風呂に入る。というのを教えてもらいましたよ」「それは良かったです。マッサージはどうでした?」「可愛く、美人な女性達に全身マッサージを受けさせてもらったのですが……全身の筋肉がほぐれて、まるで天国に行ったかのような気持ち良さでした」「満足してくれて、私も嬉しく思います」 男性にとっては可愛い女性、美女にマッサージされるだけでも十分嬉しいのは当然、それが全員プロレベルだからさぞ気持ち良かっただろう。 ゼルンはこれから乗る馬車に目をやると驚いた。「これがクロエ様が乗る馬車ですかな? 見た事ない素材……これは鉱石を加工して使用しているのですか!?」 《ネットショップ》から引き出したチタン合金を使って、新しく現代風馬車を職人に作らせてもらい、軽量で頑丈だから馬の負担も軽減できる。 この世界の馬車はガタガタと揺れが激しいかったり、座り心地が悪く腰・お尻が悪くなるからな。「座り心地が良いソファを使っております、それに揺れは一切感じないので中で食事しても溢す心配無用です」「
あれから数日後。 キャメロット領土全体へと道路整備が広まる中、キャメロットの王国民の魔力がない一般女性も働ける様に、酒場とは別店舗『メイドカフェ』をオープンしていた。「おはようございます。ご主人様! お好きな席へどうぞ!」「朝からクロエちゃんの笑顔見るのが、一日の始まりになっちまった。モーニングセットをお願いしようかな!」「ありがとうございます。ご主人様に「モーニングセット」入りました!」 厨房ではスキル・《料理人》を共有化したお陰で、プロ顔負けの料理レベルを客に届けられる様になった。 基本的には朝食はパンケーキ類、サンドイッチ類、トースト・目玉焼き・カリカリベーコン。ザ・西洋人の口に合った朝食となっている。 王国民はリーズナブル価格となっていて、他所から来た冒険者・観光客からは適正値段として提供。 気に入れば王国住民となれば、俺が経営している店舗は安い価格提供できる。 また扉が開くと鈴が鳴り、新たなお客が入って来ると挨拶した。「おはようございます! お好きな席へどうぞ。はいお待たせしました。『トーストセット』です。おかわりのコーヒーをどうぞ」「待ってました! ありがとよ。クロエちゃんに淹れてもらうコーヒーなら無限に飲めるってもんよ」 待ってる間に空のコーヒーカップに注ぐと、他の客達からはサービスと接客業を褒められた。 上質な布地の洋服を着て、明らかに裕福層と分かるぽっちゃり男性客は店内と俺達メイドの姿を見ると……呆気に取られて目が点になっていた。「あ、あぁ……。そこのメイドよ。ここは酒場……とは違うのかね?」「ここは『メイドカフェ』といって、メイド達がお客に食事を定期するメイド型レストランとなっています。今は『モーニングタイム』なのでコーヒーを頼めば"無料"でバタートーストが付いて来ます」「むりょ、無料だと!? なるほど、その分は低品質な小麦やバター等を使っ……」「おいおい、おっさん。文句言う前にまずは自分の目で確かめて見ろって。ここのバタートーストに目玉焼き、カリカリベーコンを乗せて食うと美味いんだからよ!」 カウンターにいる若者が聞こえていたのか、今届いたばかりのトーストセット・無料トーストを見つめてギョッと驚いた。「こんな分厚いパンが無料だと!? こんな売り方正気の沙汰とは思えないぞ! ワシはラヴレスト王国で商人をし
「おぉ、これはとても綺麗だな」 魔力汚染の原因だったアンデッド公爵の魂が成仏した瞬間。 黒く濁っていた地下水が、ゆっくりと透明さを取り戻していく。 やがて地下ダム全体は、宝石のように透き通った神聖水へと変わっていた。「まさか綺麗な真水を国中で飲める様になるのね!」 《鑑定》を発動して水質検査したところ、《神聖水《極上品質》》という結果から、これで気兼ねなく飲めるだろう。 水属性魔導士による、ぼったくり詐欺被害も少なくなるとみていい。 試しに飲んでみる事にした。「うん、ここまで来た時の疲労感が一気に回復したな」「やっぱりクロエ様の作る水はとても美味しいです!」「最近はこの水のお陰で、他の水が飲めなくなったわね」 俺が神魔力を手に入れてから、仲間達は普通に飲む事が増えたから、味が変わらないというお墨付きだ。 セレナとシグルーンは絶賛しているが、モルガンは一口一口をゆっくり味わって喉を潤して答えた。「こんな美味しい水を日常的に飲める貴女達が羨ましいわ。この味を国民に早く教えたいわ」「今は頭上に神聖属性を発動しているから、神聖水のままだ。一度効果を切ったら直ぐに普通の水に戻ってしまう」 ダムの壁面に神聖属性の魔法陣を展開して、相乗効果が得られる様に複数を貼り付けておいた。 これで外から流れた魔力汚染された水も流れた瞬間、即座に神聖水に変えられる便利機能だ。 そこにニーナが提案しだした。「そこの魔法陣に私の《バフ》も術式に加えても良いですか? 一般庶民は戦闘とは関係ないですが、健康面や怪我の回復力を高める事が出来ます」「そうだな。この水を飲んだり、この水を使ったアルコール類や炭酸水で《バフ》を得られる冒険者だって、増えてくれると頼もしいしな」 ニーナが神聖属性の魔法陣に《身体強化》・《魔力汚染無効》・《状態異常無効》・《体力上昇》・《魔力上昇》・《全能力値50%上昇》の術式を加える。「こんな《バフ》見た事ないわ。他国が見たら国民を徴兵して戦争レベルにする勢いだと勘違いされるわね」「徴兵はともかく、魔力・スキルが無いから冒険者になれない国民だっているはずだ。自ら率先して冒険者になりたい人も増えるはずだ!」 早速期待しながら、気長に待つ事にしよう。「次の改善は獣道の道路整備だったわね」「それは職人達と働きアリ達に任せてある。明日
この数週間でキャメロットとローゼリアンデッドの両国民に早急に洋式便器の設置を広める事が出来た。 最初は3人みたいに抵抗感を見せられたが、1人に体感させて爽快感を知ってもらい、そこから1人又1人と少しずつ広める事に成功した。 ローゼリアンデッドの方は元から下水道処理もされているから、簡単に終わったが、キャメロットの方はあまり処理されておらず、少し手間取ったが早急に終わらせる事が出来た。 これで悪臭問題だけでなく、疫病対策にも繋がるから心配は消えた。 モルガンは、まさかコスト0で国中の大工事を終わらせた事に大喜びしていた。「まさか短い期間で終わらせられる何て奇跡よ!」「両国民から汚物の悪臭が消えたって声も聞いたな。それほど国民も実は嫌がっていたんだな。次のインフラ整備としては……」 モルガンが持っていた改善リストを眺めるも、まだまだ沢山あるが一つずつ改善していけば終わらせられる。 それに働きアリ達も仕事を欲している。 人手不足を補える上、必要な道具も全て揃えられるから、最低限のコストで進められる。「次は水道・浄水問題だな」 基本的に水属性魔導士以外の人間は、飲み水をアイテム屋で購入する必要がある。 他にも水属性魔導士が氷・水を商売しているが、ぼったくりにも程がある金額だ。 生きている以上飲み水は必要不可欠だからな、お金が無くても飲める様に王都市部・各地域にある井戸水を綺麗にしなければならない。「魔界から流れる魔力のせいで、大地も汚染されているから自然の水は危険ね。死にはしないけど……体調不良何てのもあるわ」 キャメロット王国の地下には、山脈から流れ込む巨大な地下水脈が存在している。コレも神聖教会のシスターに水を浄化してもらっていた。 俺のせいでお布施として、ぼったくられていたのだとか。 まさか俺のせいで、他国の民がツケを払っていた事になるとは申し訳ない。誰も飲み水に困らない国を目指さないとな。「そもそも何でゲートをあそこに作って、魔王や魔族共は仕掛けないんだ?」「前回の勇者様と魔王の決戦によって、魔王と魔王軍は壊滅的な打撃を受けたわ。その証拠に10年は魔王は見てないわ」「それで前回の勇者様は?」「無事、我々人類が勝利を収めたけど……勇者は依然として行方不明。噂によると魔王と相打ちなったと言われているわ」 もしかしてまだ魔界
Aランクモンスター、盗賊団を片付けてキャメロット王国に帰還した。 大量の素材をこのま収納しておくのも勿体無いし、鍛冶屋に行ってみる事にした。 店内はガランとしていて、本来は商品として壁には防具・武器等が並べられていてもおかしくないはずだが何も無い。 店の奥に行っても鍛冶道具は一通り揃っているが、炎は付いていないし人の気配さえない。「これは一体……」 俺の代わりにアーサーが答えてくれた。『ここには鍛冶屋がいたんだけどね、冒険者も限られているし、武器素材となる鉱石、モンスター素材も手に入りにくいからといって国を離れてしまったんだよ。騎士専用の鍛冶屋はいても……一般向けの鍛冶屋はいないんだ』「まずは国が安全になったと各国に教えて、商人達の開拓ルートにもなってもらう必要があるな。さっきみたいにモンスターや盗賊にも襲われないようにしたり、馬車が歩きやすく歩道整備したりね」 正門から続く獣道も魔界の魔力に汚染されていて、馬自体が歩くには問題ないが荷物詰めていると歩き辛くなる。 ここは綺麗な海もあるし、旅行には最適の立地だ。 初心冒険者はともかく、強いモンスターと戦いたい上位冒険者だっているはずだ。 一般市民や他国の貴族が安心・安全に旅行できたり、冒険者達の為に武器屋・防具屋・アイテム屋等を取り扱う人間を呼ぶ事。 そして何よりまずはインフラ整備を整えないといけない、じゃないと他所から人が来ても何も他揃ってないじゃ意味がないな。 ♢♢♢ 俺の《ネットショップ》から引き出したお菓子・洋菓子を堪能していたモルガンや一部の貴族に相談する事にした。「……という事で、まずはインフラ整備から始めようと思う。どうかな?」「……え? どういう事!?」 楽しく会話していたのから一転、いきなり言われてモルガンは素っ頓狂な声を上げてしまった。 シグルーンは「またこの展開……」と一言愚痴って、呆れ果てていた。 今度は分かりやすく丁寧に説明したら、何とか理解してくれたものの、デスクワークの引き出したからリストを見せてくて、説明してくれた。「新女王様がこの国を見て、ある程度の状況を知ってもらえたけど。この国は人類の最終防衛ラインと言っても過言ではないの」 リストにはインフラ整備する部分・人員補給・人員を招く宿費用の合計金額に対して、王国の税収は大赤字
盗賊団討伐に向けてキャメロットの正門を出た。「ローゼリアとはまた違った景色だな」 来る時は海しか見ていなかったから、地平線まで色鮮やかに続くエメラルドグリーンの絨毯が広がっていた。 街道の両脇には遮る物が何一つ無い、その代わりに大自然を我が物顔で堂々と徘徊しているモンスターも多い。 海の上にある魔界ゲートから垂れ流しの魔力のせいで、ローゼリアのモンスターとは一味違う。『クロエ様、あれはポイズンスライムです。飲み込まれたら……ああなります!』 スライムは禍々しい青紫色をしていて毒性由来の体なのか、1体のゴブリンを飲み込むと、体が骨まで溶けてしまった。 モンスターと言えど同種じゃないから、モンスター同士でも争ったりするのだろうか。『アレは他の国でも珍しいと言われる。ゴブリンメイジと呼ばれたモンスターですね』 仲間が襲われた敵討に禍々しい体毛、刺々しい体をしたゴブリンが敵討ちに動き出した。 スライムの体を火属性で燃やしたり、氷属性で凍結させてダメージを与えて倒していた。「倒そうと思ったけど、必要はないか……ん」『グゲゲ……人間……女ダ、女ガイルゾ!』『女ヲ逃スナ! 女ヲ捕エロ!』 魔界産の魔力を浴びると、知性も高くなってゴブリン達も話せる様になるのか。 禍々しい体毛のゴブリンから、魔力量が溢れて身体強化を発動した。「アレは《バフ》強化に似てるけど、違うのか?」『こちらのゴブリンは人間の女・メス型モンスターから発せられる女性ホルモンを感知して、ゴブリン特有のオスホルモンによって《自己バフ》強化になります』 ゴブリンに犯されるなんて冗談じゃない。「奴等は闇属性なのか?」『その通りです。聖属性を発動して、我輩が片付けましょうか?』「それもそうしたいけど……」 プリンの実力も見たいが、メインの盗賊団に取っておきたい。「まだプリンの出番は早い。まずは君達が倒してみてくれ」 ゴブリンの群れと言っても数十体だから、俺は魂からキャメロットの軽装鎧を纏った兵隊アリの美女達に任せてみるか。 どこまで出来るか《バフ》&《デバフ》は無しにして、彼女達の実力が何処まであるか見てみたい。 同じ数だけのゴブリンと美女兵士達が衝突する。 お互い鉄製の武器同士が、剣戟による鍔迫り合いで火花を散らす。 ゴブリンの攻撃を受けた部分だけ斬られたり・風穴







